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歯ぐきのこんな症状要注意!腫れ・出血・赤い・膿がでる・ぶよぶよ・下がってる

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こんばんは歯科衛生士のAYUです。今日は少し怖いお話を。

 

みなさん自分の歯ぐきの状態毎日チェックしてますか?

 

歯磨きしたら血がでてませんか?

歯ぐきが腫れてる気がしませんか?

歯ぐきから膿みたいなのがでてないですか?

なんかぶよぶよなところがないですか?

笑ったときいつもより赤くないですか?

前歯の歯ぐきが下がって根っこが見えてきてないですか?

なんか起きた時の口の中がねばねばしませんか?

歯の根元に黒っぽいものが見えてませんか?

 

もしこの中にひとつでも思い当たることがあった人は要注意です。

 

何に要注意かと言うとそれは歯周病です!

 

歯周病ってわかりますか?昔の言い方で言うと歯槽膿漏という病気です。

 

現在は歯槽膿漏とは言いません。歯周病といいます。

 

歯周病という言葉は知っていても、自分はまだ若いから関係ないと思っていませんか?実は30代から50代の8割の人が歯周病を発症しているというデータがあります。

歯周病 | 生活習慣病の調査・統計 | 一般社団法人 日本生活習慣病予防協会

 

 8割って自分の周りの10人に8人は歯周病って事ですよ。まだ自分は違うと思えますか?まずは疑ってみたほうがよさそうです。

 

歯周病は痛みがほとんど無く進行していきます。上記のような違和感に気づいて歯科医院に行ったときには既に歯周病が進んだ状態だったということはよくあることなんです。

 

まずは歯周病がどんな病気なのか詳しく説明しますね。

 

歯ぐきの違和感を感じたときには既に遅い?こんな症状には要注意です

 

 

まず歯は歯槽骨という骨の中に埋まっています。歯と歯槽骨の間にはわずかに隙間があり歯根膜という繊維でつながっています。ちょうど、ハンモックのように歯槽骨の中に歯が歯根膜という繊維によって浮いているような状態です。

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私の下手な絵ですいません。

ともかく、歯は歯根膜という繊維のおかげで直接歯と骨がぶつかって痛くならないようになっています。今ぐっとかみ締めてみてください、歯が少し沈むのがわかりますか?この弾力のおかげで硬いものがかめたりぐっと食いしばったり出来るのです。

 

そして歯ぐき(歯肉)はこの歯槽骨の上に貼りついています。皮膚と骨の関係と一緒です。

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歯ぐきは歯槽骨とはしっかりくっついていますが、歯と歯ぐきは実はあまりしっかりくっついてはいません。そして歯と歯ぐきの境目にはポケットという溝があります。その歯と歯ぐきの境目のポケットの部分に歯の汚れは溜まりやすいのです。

 

汚れというのはどんなに掃除しても隅っこのほうに溜まっていきます。部屋でも真ん中より部屋の隅に埃が溜まりますよね。

 

歯の汚れも同じで歯と歯ぐきの隙間にどんどん入っていきます。その部分を歯ブラシで磨かずに適当に歯磨きをしていると歯ぐきは常に細菌に攻撃されるのです。

 

人間の体は細菌が体内に入ってくると、身体の外に細菌を排出させるために体中から血液やリンパ液を集めてきます。歯ぐきも同じです。細菌を排出するためにそこに血液が集まり、歯茎が腫れます。そして血が出やすくなるのです。この状態を歯肉炎と呼びます。

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この歯ぐきからの出血を治すためには歯に付いたプラーク(細菌のかたまり)を除去しなければなりません。それは自分で歯磨きで取り除くか、歯科医院に来て取り除いてもらうしか方法はないのです。歯磨きで磨くと血が出ます。でも気にせず磨いてください。そうすれば必ず腫れはひいてきます。歯茎が痛く感じるような磨き方で血が出てる場合とは違うので注意してください。それは怪我です。

 

もしこの状態で血が出るから怖いとかいって歯磨きをしないとどうなるかもうわかりますよね。そうです、次の段階が歯周病です。

 

歯ぐきに血が集まっても細菌がいなくならない場合、歯を支えている歯槽骨がどうなると思いますか?歯槽骨は細菌から逃げるように溶けていってしまうのです。歯槽骨が溶けてなくなっていく、これが歯周病なんです。

 

そして歯ぐきは腫れている、でも中の歯槽骨は溶けて減っている、そうすると歯と歯ぐきの境目のポケットが深くなります。

 

ポケットの中には血液やリンパ液や細菌といったいろんなものがあり、それが固まり歯に強固に付着します。それが歯石と呼ばれるものです。

 

この歯石は歯ぐきの上に見えている歯石とは全く別のもので歯ぐきの上に付いて見えている歯石を縁上歯石と呼び、これは歯科医院で歯のクリーニングをすれば簡単に取れます。

 

しかし歯周病によりできたポケットの中にある歯石は縁下歯石と呼び、この歯石はちょっとやそっとじゃとれず、歯茎の中に刃物をいれ引っかいて取り出すのですが、まず見えないので、どんなに上手な歯科衛生士がとっても完全にとるのは不可能なのです。

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一度歯槽骨が溶けてしまうとどんなに歯磨きをがんばっても、歯科医院にきて治療をしても歯槽骨が元に戻ることはありません。

 

それ以上歯槽骨がなくならないようにするしかないのです。ですから歯周病は怖いのです。

 

歯周病になってしまったらどうすればいい?完治することは不可能なの? 

 

では歯周病になってしまったらどうすればいいのでしょうか?それはまず、ポケットをできるだけ浅くすることが第一です。

 

ポケットを浅くするためにはポケットの中にある歯こうを取り除くこと、そこから始まります。歯科医院でもその部分のクリーニングを行います。そして家での歯磨きでもポケットの中から汚れを取るように歯磨きをしていただきます。

 

そうして歯ぐきの腫れが治まってきたら、歯ぐきの下にある縁下歯石を取り除いていきます。この処置は一回では無理なので何回かに分けて根気よく取り除いていきます。歯科衛生士が手探りで歯ぐきの中の歯石をスケーラーという刃物で削り取っていくのですが、ポケットが深い場合は、歯ぐきを切って歯の根っこが見えるように開いて目で直接見ながら取っていく方法もあります。

 

このように、歯周病がひどくなると治療も長期間通わないといけないですし、治療には痛みがあります。こうなる前に歯科医院に行って歯周病じゃないか見てもらい、もし歯周病でも重度になる前に処置していくことが重要になります。

 

ここまでしても歯周病を完治させることはできません。現状を維持していくしかないのです。

 

歯の磨き方も普通に磨くのと歯周病の場合の磨き方では全然違います。

 

歯磨きの仕方の違いはまた書きますね。

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