定期検診での歯のクリーニングで歯科衛生士はどんな事するの?保険の点数と金額も全部書いちゃいます
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こんばんは歯科衛生士のAYUです。
さて今日は私が普段している歯科衛生士の仕事内容についてかこうかなと思います。
私が日々行っている仕事は主に定期検診でこられた患者さんの虫歯のチェックや歯肉の検査、歯のクリーニングなどになります。
専門的な用語で言うと、
- 歯科衛生士実施指導
- 歯周基本検査
- 歯周基本治療
- 機械的歯面清掃処置
というものです。
詳しい保険点数と金額の全貌も全て書きますので最後まで読んでくださいね。
これらの処置を1時間の予約を頂き施術させていただいています。では具体的にどのようなことをしていくのか詳しく説明しますね。
保険で行う歯のクリーニングの処置内容詳しく解説、点数と金額も
1.口の中のチェック
まず、院長が患者さんに何か気になることはありませんでしたかと、問診します。患者さん本人が気になるところを訴えられた場合は、口の中を確認して、問題の原因や解決法を説明します。処置が必要ならばそのまま治療になります。
特に気になるところも無く、口の中をチェックしても問題がなければ、そのまま定期検診を続けます。
2.歯周基本検査
歯科衛生士の私と交代して歯ぐきの検査を行います。
歯周基本検査とは歯と歯ぐきの境目にある溝のことを歯周ポケットと呼ぶのですが、その溝の深さを、専用の器具で測っていきます。
1~2mm 健康な歯肉
3~4mm 歯肉炎
5mm以上 歯周病
歯の周囲をぐるっと6箇所くらい測り一番深い数値を記録します。その際出血があればそれも記録しておきます。
まずこの歯周基本検査を行い、歯周病になっている箇所がないか確認します。もし5mm以上の深さの箇所があればその部分は歯茎の中の歯石を採る処置を次回からスタートすることになります。
3.歯科衛生士実施指導
いわゆる歯磨き指導です。
歯の表面を赤色に染め出してから行います。
歯垢(プラーク)は歯と同じ白い色をしているため、一見するだけではどこに汚れが残っているかわからないので、汚れが赤く染め出される液で染め出しわかりやすくした状態で、赤い部分を記録します。この際、記録用に写真も撮影します。
汚れがどこにあるか患者さんには鏡で見てもらい、歯ブラシの当て方や、磨き方を説明していきます。
家でも染め出して磨くほうがより綺麗に磨けますので、染め出し液のおすすめはこちらです。液をお口に含んでくちゅくちゅすると赤く染まりますので、その赤い場所がなくなるように歯磨きしましょう。
3.歯周基本治療
歯周基本治療とは、歯の周りに付いた歯石やプラークを歯の表面から取り除いていく処置のことを言います。
保険診療では歯ぐきに治療が必要と確認されないと歯周治療を行う事ができません。ですので歯ぐきが健康であり歯石などが付いてないようであればこちらの処置はできません。
歯肉が腫れていたり、歯石が付いていて除去の必要があると判断されると 、歯ぐきの深さが1mm~4mm程度の箇所は歯石を超音波スケーラーという機械で取り除いていきます。
基本的には歯茎の上に見えている歯石のみを取り除きます。ポケットの中に埋まっている歯石は歯科衛生士が使う歯石を取る器具のハンドスケーラーという刃物で、歯ぐきの中から取り除いていきます。
基本歯石を取るにはこの超音波スケーラーとハンドスケーラーという手で操作するスケーラーがあります。
歯茎の上にある歯石を除去するには超音波スケーラーを使用してとるのですが、超音波スケーラーは先端から超音波を発生しており、超微振動がチップの先に出ているのですが、パワーを強くすると、歯の中の神経が過敏に反応してしみる場合があります。
私は歯石をとるときは痛くないようにとるのがもっとうなので、痛みがないかかなり細かく何回も確認しながら進めていきます。
特に下の歯の前歯は歯自体が薄いので痛みを感じやすくなっています。しかし下の歯の前歯の裏側には唾液がでる腺があり、汚れが残っているとすぐに歯石になりやすい箇所なのでパワーを下げて痛くないように少しづつ取って行くようにしています。
超音波のパワーを下げても痛みがある場合はハンドスケーラーでとるのですが、超音波と違って手作業なので時間がかかってしまいます。ですので出来る限りは超音波スケーラーを使用していくのです。
もし超音波スケーラーで歯石を取ってもらったときにめちゃくちゃ痛かった経験がある方は施術した歯科衛生士に気配りが足りないかもしれません。痛みはきちんと伝えていただけると私はうれしいです。
4.機械的歯面清掃処置
超音波スケーラーで歯肉より上の歯石をすべて取り除くと、見た目はすごく白くなります。ただ歯の表面は先のとがった器具で引っかいて汚れを取っている状態ですのでかなり細かい傷が付いている状態になっています。
そういった傷や取りきれなかった汚れを、ハンドピースという機械に、ブラシやラバーカップ、ラバーチップを取り付けて綺麗に磨いていきます。
研磨剤は最初は荒めで、次に普通の細かさ、最後にすごく細かいペーストを使用してすこしずつ表面を綺麗に整えていきます。
私が医院で使用している研磨剤はコンクールクリーニングジェルPMTCというペーストを使用しています。自宅での着色除去のペーストとしても使えます。週一回程度こちらで磨くと着色防止になります。
自宅での着色除去の記事はこちらもお読みください
歯の表面が綺麗に整い、歯石や着色もすべて取り除いた状態で、歯の表面を整えるペーストで仕上げ磨きを行います。
医院でも使用しているペーストはこちらのリナメルというペーストになります。家でも使用すると非常にいいと思います。
こちらの商品は、ナノ粒子ハイドロキシアパタイトの作用により、歯面を美しくなめらかにします。なめらかな歯面はプラ―クやステインがつきにくくなります。
5.院長による最終チェック
全ての施術が終わると最後に必ず院長にチェックしていただいています。
歯科医院での定期検診での歯のクリーニングの点数と金額の全貌
初診 234点
歯科疾患管理料 100点
*歯科疾患管理料とは継続的に歯科医院に通って口の中のケアが必要な患者に、治療の計画や治療の説明を行い治療計画書を提供した場合に算定され、その後2回目以降はその計画書に基づいて治療を継続的に行っている場合に月1回算定できる。
口腔内写真検査(5枚) 50点
歯周基本検査 20歯以上 200点
歯科衛生士実施指導料 80点
歯周基本治療 66点+38×5回⇒256点(全顎の場合)
※口の中を上顎と下顎でわけた場合に、片顎を3等分に分けて考えた場合、1/3顎が66点になり、一回の診療でさらに追加で行う場合は1/3顎ごとに38点加算になります。
機械的歯面清掃処置 68点
今回の処置にかかった点数のトータルは988点です。
支払いは3割負担で2964円になります。
まとめ
今回は私が歯科医院で行っている、定期検診での歯のクリーニングの流れを書いたんですが、保険診療での定期検診ではこのような感じになるかと思います。
より丁寧なクリーニングや、一回で全てのクリーニングを希望される場合は自費でのクリーニングも考えていただけるとよりよろしいかと思います。
自費で行う場合は各医院によって値段が違いますが、5000円から1万円くらいで施術していただけると思います。
ただ歯科医院によっては一回の定期検診でここまでのクリーニングはしてもらえない可能性があります。保険診療での予約の取り方で30分間隔でしか予約を取らない医院ではこの内容を一回の診察で行うのは難しいので2回に分ける医院もあります。
保険診療では一回の診療で全顎の処置はできないといわれる歯科医院もあるかもしれませんが、地域によっても色々違うらしいのですが、実際はそんな決まりはありません。知らない歯科医師も多いようです。
実際に現在私が働いている歯科医院では一回で全顎のクリーニングを行い、保険請求をしていますが、全く問題なく通っていますし、院長にも確認しましたが、問題ないということでした。
保険の範囲でもここまで行っている歯科医院もありますので是非、定期検診に来て虫歯や歯ぐきに異常が無いか見てもらい、異常がある場合は歯のクリーニングをしてもらうことをおすすめします。
そして歯科医院でクリーニングをしてもらった後はその綺麗な歯を保つためにもホワイトニング高価の高い歯磨き粉で磨くことをおすすめしますよ。
その事を詳しく書いた記事はこちら⇒
タバコのヤニ、ステインを付きにくくする歯磨き粉プレミアムブラントゥースがすごい
いい歯科医院を見つけられるように祈っています。
参考にした資料(社会保険歯科診療報酬点数早見表)
http://www.koyu-ndu.gr.jp/images/20160401tensuu.pdf