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歯医者や歯科衛生士が虫歯の治療をするなら絶対自費診療にする本当の理由

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こんにちは、歯科衛生士のAYUです。

 

このブログを始めてちょうど10日になりました。おかげさまで読者の人数は18人に増え、PVもすでに1600を超えて本当にびっくり!もうひとつブログを書いているのでなかなか毎日記事を更新というわけには行かないのですが、がんばりますね。

 

 

皆さんは虫歯の治療をするときに保険診療を選択しますか?自費診療を選択しますか?

 

ほとんどの皆さんが保険診療を選択すると思うのですが、では毎日歯科で働いている歯医者や歯科衛生士はどちらを選択すると思いますか?

 

結果を先に書きますね。絶対とは言い切れないですが、たぶんほとんどの歯医者や歯科衛生士は自費診療を選ぶと思います。

 

それはなぜでしょう。ただ単に白い詰め物がいいというわけじゃないんですよ。治療の過程を見てしまったら、自費診療しか選べなくなるのです。

 

では保険診療と自費診療の違いを歯科衛生士が詳しく説明します。

 

ただ詰め物が金属か白いかだけじゃない、自費診療と保険診療の本当の違いとは

虫歯になったら歯科医院に行って治療を行いますが、その時、歯科医師から、保険で治療するか自費で治療するか聞かれると思います。歯科医師は詰め物を銀歯にするか白いセラミックにするか見たいな聞き方をする場合が多いと思います。

 

そして銀歯なら保険で治療が出来るので大体このくらいの値段、白いセラミックの場合は保険が効かないので、一本あたりこの値段になりますみたいな感じで説明されたことがあるのではないでしょうか?

 

 

保険診療と自費診療での前歯の治療の違いを知りたい場合はこちらの記事を読んでみてください。

前歯が欠けた時に掛かる費用、治療法を徹底解説!~サバゲーブロガーゆきおさんからの質問~ 

 

 

では保険診療と自費診療って本当に詰め物の素材の違いだけだと思いますか?なんとなく金属なら簡単に作れるから安くて、セラミックは作るのが大変だから高いのかな位に思ってませんか?

 

全く違います。

 

保険診療というのは、虫歯の治療の工程がすべて保険点数化されているので、その点数によって明確に、治療費が算出されています。従って、歯科医師の腕前の差こそあれ、治療内容に関しては、全国一律で治療費は変わらないものとなっています。

 

ですので治療で使う材料や器具などもその点数に見合ったものしか使用できないのです。

 

日本の保険診療の治療料金は世界的に見ても断トツで安価です。こんなに安く治療してもらえる国は他に無いでしょう。しかも、日本の歯科医師は優秀で保険治療でもかなりきれいに治してもらえるので、日本人はほとんどが保険診療での治療を望んでいて、詰め物の色が金属でもいいか、どうしても白いのがいいかというところでしか、治療の選択が出来なくなっているので、歯科医師はそのことしか聞かないのでしょう。

 

でも保険診療と自費診療の違いの大切なところは詰め物の素材だけではないんです。その治療過程にこそ、自費診療を選択したほうがいい理由があります。

 

では保険診療と自費診療の治療の流れについて詳しく説明していきますね。

 

1.虫歯を削る

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虫歯を削る際、タービンという高速切削できる機械にバーという器具をつけて削るのですが、まずそのバーの種類が全く違います。

保険診療の場合

まず荒めのバーで大まかな形に削っていきます、そして細かいバーにかえて周りを整えて仕上げます。

自費診療の場合

自費診療専用のバーで荒めのバーから普通の粒子のバー、そして細かい粒子のバー、超微粒子のバーと何段階にも分けて丁寧に削っていくのです。それによって表面は滑らかで被せ物をはめたときの隙間を最小限に抑えることが出来るのです。

 

2.歯の型を採る

虫歯を削って形を決めたら、歯型を取ってその歯型に石膏を流しいれ模型を作るのですが、その歯の型をとる時も、全く違います。

 

保険診療の場合

歯を削り終えたらすぐに歯の型を採ります。歯の型を取る材料は、アルジネート印象材というアルギン酸ナトリウムを主成分とした安価なのに操作性もよい材料を使いかぶせる歯の周りだけより精密に歯の型が採れるように寒天を温めてとかしたものを流しいれて、市販の歯の型どり用トレーに印象材を流しいれて、型どりするのが一般的です。

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自費診療の場合

まず、歯型を採るために患者さん一人ひとりのオーダーメイドの個人用トレーを作成します。そして歯と歯ぐきの境目に糸をぐるっと一周圧排して入れ込み、削った部分との境目がよりはっきり歯型に現れるようにします。そして作成した個人用トレーに印象材をのせてとるのですが、その印象材も保険で使用するアルジネート印象材ではなく、シリコンで出来たシリコン印象材という非常に精密に取れる印象材を使用するのです。この印象材だけでも値段の差は倍以上あります。

 

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3.歯の型に石膏を入れて模型を作る

歯の型をとったら石膏を流しいれて模型を作ります。

保険診療の場合

硬石膏という石膏を模型に流し込みます。

 

自費診療の場合

硬石膏よりさらにもっと硬い超硬石膏を流し込みます。もちろんこちらの石膏のほうがより硬くより滑らかな模型に仕上がります。

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4.歯科技工士さんに渡して被せ物を作成してもらう

この時に作成をお願いする歯科技工士さんも保険と自費では変えます。技工所も普段から保険診療の技工物ばかり預かって作成する技工所と、自費の技工物しか扱わない技工所があるのです。それぞれ得意な分野が違いますので、自費の場合は、自費の被せ物を得意とする技工所に出します。

 

5.被せ物を歯にあわせて調整し接着材でくっつける

保険診療の場合

出来た被せ物を歯に合わせて高さを調べたら、高くあたっている部分をその場で削って高さを合わせていきます。そして高さが合えばすぐに接着材でくっつけます。2種類の材料を混ぜ合わせることで硬化するタイプの接着材を使用します。歯を乾燥させて、接着材を練り合わせたものを被せ物に入れて歯にあわせて時間がたったら余った接着材を取り除きます。

 

自費診療の場合

高さを合わせたらすぐには接着材でくっつけずに、一度仮の接着材でくっつけて一度使ってみてもらってから、よければ次の予約の時に本当の接着材でくっつけます。もし気に入らなければ作り変えてもらうことも可能です。自費の場合はしっかりと満足いくまで調整をしてもらえます。

自費の場合の接着材は、光を当てると固まるような接着剤を使用することが多いです。保険で使用する接着材は時間が経つとだんだん劣化して溶けてきてしまい金属と歯の間に隙間が出来てそこからまた虫歯ができやすくなるのですが、自費の接着材は歯を修復する素材と一緒なので、時間が経ってもそれほど劣化せず溶け出したりもしないので隙間が出来にくいのです。

 

 まとめ

今回は虫歯治療の流れを紹介しましたが、他の治療でも保険診療と自費診療では使える材料や器具などが違います。

 

保険適用の原則は「悪いところを治すための最低限の治療」に限られており、悪くしないための予防や、口元のコンプレックスを解消するための矯正治療や審美治療には適用することができないのです。

 

自費診療は保険が適用されないため費用がかかり、経済的な負担が大きくなるというデメリットがありますが、保険診療では行えないきめ細かな治療が可能で、仕上がりの良さや見た目の美しさ、噛み心地の快適さだけでなく、自費診療で治したものは保険のものより長持ちで再度虫歯になるリスクがかなり減少するなど、得られるメリットはデメリットよりもはるかに大きなものではないでしょうか。

 

だから歯科衛生士はもし虫歯になって治療しないといけなくなったら、自費診療での治療をするのです。もちろん見た目のよさもですが、先のことを考えるとまた虫歯になって再治療となったときのリスクのほうが料金よりも怖いことを知っているからなんです。

 

この間大人気だった逃げるは恥だが役に立つというドラマの中でも、新垣結衣ちゃん演じるみくりさんが叔母の百合ちゃんこのように言われてました。

「セラミック一択!」

 

この言葉は本当に正しいと思います。安物買いの銭失いにならないように皆さんもよく考えて歯科治療を選択してください。

 

 

 

こんな記事も書いています。 

hygienistblog.hatenadiary.jp

 

 

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